ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

日越の老人

ベトナムのおじいさん、おばあさんは周りからよく敬われています。ここだけ切り取るとベトナムは老人を大切にする国となりますが、少し日本のそれと比較しながら考えてみます。(*老人の年齢はここでは70歳ぐらいからとします。因みに老人という言葉に嫌悪感を持つ方は「高齢者」に置き換えてください)

 

【ベトナムの場合】

①老人が少ない

国民の平均年齢の関係もありますが、老人の数が比較的少なく、そんなに都会の街中で見かけることがありません。絶対数が少ないので、やっぱり公共の場で見かけると席を譲るなど他の世代より優先という意識は働きやすいかと思います。

 

②基本は家にいる

年齢も70を超えるような歳になると家にいることが多いです。それで近所の人が様子を訪ねにかわるがわる家に来て、お話を楽しみ一日を終える。これがベトナムの老人に多いライフスタイルでしょうか。慎ましく暮らしている人が多いように思いますし、所謂日本のようなアクティブな老人は少ないです。

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③戦争体験者

直近のベトナム戦争終了が1975年なので、老人はモロに戦争体験者です。ベトナムは男女共々戦ってますので、正に生きる戦争体験者。この時期に若い世代がかなり無くなったので現在の老人数が少ないということもあります。ベトナム人は愛国心と相まって、この戦争経験者に対して敬意を示しています。

 

【日本の場合】

①老人の数が多すぎる

ベトナムで暮らすと本当に日本は老人が多いなぁと感じます。住宅街の平日昼などはファミレスやカフェなど老人で占拠されることもありますし、客の少ない時間帯は積極的に老人を呼び込むカフェも多いと聞きます。そして高齢者でも働いているのが日本の特徴。老人の就労に就いては色々議論の余地があると思っています。

 

②老人がアクティブ

色々な所に繰り出す老人をよく見かけます。元気なのはいいことかもしれませんが、それゆえにとち狂ったトラブルもよく起きています。

 

③老人世代は戦争非経験者が多くなってきた

当時それなりの年齢で太平洋戦争経験者となると年齢にして90歳以上ぐらいになると思いますので、数はかなり減っています。今のメイン老人層は団塊世代でしょうか。ちょうど戦後で経済成長、バブリーな時期を若い時に経験した世代かと思います。

 

今のベトナムの老人は私の曽祖父母ぐらいの感覚ですかね。今後ベトナムも高齢化社会になるのは確定しているので日本と同じ道を辿るのかな。。。

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昔の老人は数も多くないし、長く生きていれば生きた年数に見合った知識と経験があるのでそれなりに敬われたように思います。ゲームや漫画の世界の「物知り爺さん」や実世界の「おばあちゃんの知恵袋」なんてのが通用した良き時代でした。「村の長老」なんていうのは今では死語かな。

情報化社会になると知識面ではすぐに若年層に追い抜かされますし、「ただ生きている」だけでは、その数も相まって煙たがれやすくなったように思います。更に老害と呼ばれるような老人になれば罵声を浴びせられることもあります。

 

「若い時は自分たちが日本経済を引っ張ってきたんだ!」という自負があるかもしれませんが、それを理由に敬えというのは最早無理な時代に入っています。

「若い時は経済を引っ張り、年を取って第一線から身を引いた後は人の迷惑にならないよう余生を謳歌する」

 

これからの老人はこんな感じの方が尊敬の対象になるのかなぁと思います。