ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

帰国後のベトナム人実習生が日系企業への就職で不利になるケース

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ベトナム人実習生の数がかなり増えていますので、3年ぐらいの実習経験が帰国後の就職に有利になるかというと今はそんなことはありません。むしろケースによってはマイナスになることもありますので、今日はそれについて書きます。

 

①日本語が下手な場合

帰国時にN3(日本語能力)レベルの実習生の数が多すぎるので語学のアピール要素にはなりません。N2であれば働きながら頑張って勉強したんだろうなという一定のプラス評価にはなります。逆にN3より劣る場合はそもそものポテンシャルを見限られることもあるので、中途半端に日本語を知っているレベルではマイナス要素になります。因みに留学生であればそのワンランク上、つまりN2で普通、N1でプラス評価みたいな感じです。

 

②実習生としての経験が仕事にリンクしない

日本で実習するような業務はベトナムでいうワーカー業務が大半です。ワーカーにはそもそも語学力は求められませんので、日本語が分かるワーカーは大して重宝されません。例えば金型設計や溶接などある程度の技術が必要な実習であれば、運がよければ技術者の管理職として活躍できる可能性はあります。しかしそもそもの募集数が少なく、相応の日本語力と技術力を要求されるので狭き門であることは確かです。日本では実習生にとって比較的ホワイトな業種とされる食品加工なども、ベトナムに帰れば未経験のワーカーで賄えてしまいます。

 

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③3年という時間

何歳から実習に行くかというということですが、3年という年月が過ぎて帰国すると大体若くて25歳前後が多いでしょうか。一昔前は日本企業も日本での経験がそのまま日系の職場環境に生かせると考えていましたが、最近では、

 

「経験がない人を3年かけて自社で教育したほうがいいんじゃない?」

 

と考える企業も増えています。(ベトナム人が3年同じ会社で働くのかという懸念はありますが。。。)特にベトナムに進出して年数が経っている企業では、会社内の先輩ベトナム人スタッフも育ってますので、教育もベトナム人主導で任せることもできます。なので3年の経験が年齢的な若さを失っているのであれば不利に働きます。

 

④英語が話せない

実習生で日本語が上手でも英語は全くダメという人は多いです。留学生は人に依りけりですが、現地でそこそこの大学を出ている子でなければ英語ができない留学生は多いかと。日系でも他の国に支社がある場合は英語でのやり取りを求められることもありますので、日本語だけできればOKというものでもありません。

 

一昔前は日本へ行けば帰国後に日系企業へ自動的に就職できるみたいなことを送り出し機関で言われていましたが、現在はそうもいかない状況です。私が知っている元実習生で現在日系企業のそこそこのポジションで働いている人を見ると、本人の努力はもちろんですが、運によるところも大きいように思います。