ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

ベトナム人のワーカー事情について

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日本の製造業がベトナムに進出することにおいてベトナム人ワーカーの確保は非常に重要になります。賃金が地域にもよりますが3万円以下ぐらいで雇えるわけですから人件費に頭を抱える中小企業もたくさん進出してきています。

 

しかしそんなワーカーも無限にいるのかと言われるともちろんそんなことはありません。相次ぐ外資の進出でワーカーの取り合いになっていますし、そもそもワーカーの仕事に就きたがらない層も増えていますので、この先ワーカーの数そのものが減っていくとみられています。私もそれに関する相談を顧客から受けることがあるのですが、現時点では個人レベルで根本的な解決は難しいとしか答えられません。よくベトナムに進出を進めるコンサルタントがワーカーの人件費の安さなどを伝えますが、実際確保するのに苦労する事情まで話さないことも多いです。

 

現在ワーカーとして働いている層に自分の子どもに同じ仕事をさせたいかと聞けば首を横に振る人がほとんどです。できることなら大学まで進学させてホワイトカラーの仕事に就かせたいと思う人がたくさんいます。しかし現在ワーカーとして働いているので給料が十分ではなく、子どもの教育費にも苦労します。そこでなんとか親族などを頼ってお金を工面して子どもに大学まで進学させる親も多いようです。

 

そういったことから将来的にはワーカーの数が減っていき、ホワイトカラー職希望の若者が増えることは確実なわけですが、それはそれでまた問題があります。それは大学上がりの人材が過剰することです。日本も似たようなものですが、とりあえず大学を卒業すれば仕事にありつけるという時代はベトナムでも終わっています。一昔前であれば大学の卒業者はそれなりに教養がある層という認識でしたが、進学者の増加の影響でその質は昔より落ちていると言われています(正確には質の高低が上下に伸びている)。卒業後すぐに仕事が見つからずとりあえず間に合わせのアルバイトで生計を立てている新卒者も珍しくはありません。

 

日本へ実習生としていくような層は現地のワーカー層の人たちが多いわけですが、一度実習で日本に行ってそれなりに良かったという人たちも、自分の子どもには実習生にはなってほしくないと言う人もたくさんいます。将来的にはベトナム人で日本の単純労働を担う人も減っていくのでは思われます。