ベトナムで地震が起きたら想定できること

コロナ被害。ベトナム政府の強硬な対策と、国民の恐怖心から来る行動も手伝って感染防止に中々頑張っていると思います。現在は市内の店は食料、医薬品などを扱う店以外全て営業停止、国民も不要な外出を自粛し、外に出るときはマスク着用が義務付けられてました。マスクしてないのが公安などに見つかると処分されます。というわけで私の会社もちょっと前から在宅勤務。街はシャッター街と人気の無さでいつにない光景です。

今日は少し趣向を変えてベトナムで地震災害が起きたと想定します。

「ベトナムは地震が起きないから大丈夫」みたいなことを聞いたのはいつ頃だったか。昨年北部の山岳地方のほうで震度２～３ぐらいの地震がありました。ハノイのほうでも敏感な人はわずかながらの揺れを感知できる程度のレベルでした。震源地はラオスとタイの国境辺りだったようですが、ベトナムでも地震が起きないということはありません。実際に感知できない程度の揺れはよく発生しているようです。

もし日本で起きるような大震災レベルのものがハノイで起きたらどうなるでしょうか。今日はそのあたりを自分なりに想像してみます。

・建物崩壊

耐震構造なんていうのがないに等しい建築なので、大地震が来たら崩壊する可能性はかなり高いと思います。日本人の建築専門家によればベトナムの建築は日本の耐震構造の観点からするとありえないものが多いとのこと。設計の時点で「なんでこうなった？」というような建物がたくさんあると言います。また建築設備の専門家によると、マンションなど大型の建物に強い揺れの力が加わると、電気系統や排水系統が一発でアウトになる可能性もあるようです。もともと通常の状態でも漏れなどトラブルの多いベトナムですが、外的な力を逃がすような構造設計がなされていないとのことです。

・住民のパニック

地震なんてのは外国の出来事みたいな感覚で見ているベトナム人が多いので、いざ大地震が起きるとパニックに陥るのは容易に想像がつきます。交通なんてのは普段以上にカオスになるでしょうし、物資確保などでのトラブルも普通に起きるでしょう。そこを狙った犯罪なんていうのも普通にあると思います。支援物資などが配給されたとしても皆きちんと並んで受け取るかは非常に怪しい。（まあ日本がそのあたりちゃんとできすぎみないな感はありますが）

・復旧にかかる時間

インフラなどあらゆる機能がマヒしたときに、その復旧までにかかる時間も相当なものかと思います。中部では毎年のように洪水被害が起きていますが、その都度復旧にかなりの時間がかかっています。ハノイでも時々インフラ関係でトラブルはありますが、その復旧ですら「いつまでかかってんの？」と思わされます。復旧にかかる時間の見通しは立たないというのが実際のところかと。

私はマンション暮らしなんで実際に大震災が起きたらこの上なく危険かと思います。それこそ高層なんで建物ごと下に落下なんてことも冗談ではない話です。仮に運よく生き延びれたとしても、その後の復帰までには相当な時間がかかると思いますし、損害被害とかもかなりのものになるでしょうか。

結論、地震が起きるかどうかは今のベトナムでも運しだい。でももし発生したら日本よりも大変な状況になるといったところかと思います。今のところコロナ災害はライフラインは安定していますのでパニックになる心配はありませんが、それでもそのライフラインが絶たれるような事態になった場合は少し怖い気がします。