ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

ベトナムの家庭内における女性の役割とは

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嫁と結婚したてのときに嫁の実家で複数の親族と飲んでいた時のこと。親族である一人の男性がこんなことを言いました。

「ベトナムの女はいいぞ。仕事もするし家事も子育ても全部やってくれるからな。」

この発言の裏には男は家事をしなくてもいいという意味が含まれていますが、実際のところ現代のベトナム女性にこれが通用するかというと難しいと言えます。今日はその辺りについて書いていきます。

 

まず冒頭の発言ですが、「昔のベトナム女性は皆そんな感じだった」ということは言えそうです。しかしこれも当時の生活環境を想像すれば何となく理解はできます。一昔前、または現在の田舎では殆どの人は仕事として農業をやっているか、個人経営の店で生計を立てていました。比較的自由に時間調整ができる環境なので、空いている時間に家事や育児をするということも時間的に可能です。個人経営の店は自宅兼店なので客がいれば仕事をしますが、いなければ自分の時間に使うことも容易です。多くの女性はそういった間の時間を上手く使って家事や育児もこなしていたのでしょう。男性は空いている時間は遊んだり寝ている人が多いみたいですが、これが非難されないのは昔から続く男性優先社会の影響です。(いまでも女が働く傍ら男が路上で座ってお茶を飲んだり将棋をして談笑している光景は普通に見られます)

 

ところが現代は時代も変わり会社務めをしている人も増えました。結婚しても女性がフルタイムで働くことが普通なベトナム社会では、仕事の拘束時間は男性と殆ど変わりません。仕事から帰った後で家事や育児を一人でこなす傍ら、旦那は何もせずにソファーに寝そべってスマホでも見ていようものなら嫁は当然不愉快でしょう。実家で両親と同居している場合や、田舎から姑が手伝いに来ている場合は家事をお願いできますが、やはり嫁という立場上、姑に家事をさせるのは気が引けるので帰宅後に手伝おうとするものです。

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なので現在の若い夫婦で共働きの場合、「旦那も家事を手伝って当然」という風潮はあります。しかし実際に両方とも会社務めをしている全ての夫婦がそうかと言われると必ずしもそうとは言えません。あくまで女性がそう願っているだけで、何もしない旦那がいることは事実です。

 

ここがベトナム的と言っては何ですが、旦那が家事を全然手伝わなかったり、遊び惚けていたとしても、「男はそういうもんだ」という認識で済ませて自分に納得させている女性もたくさんいます。仮に嫁が旦那の両親や親族にその不満をこぼしたとしても取り合ってくれない可能性があるでしょう。そういう意味で家庭内における男性はまだまだ甘やかされているとも言えます。もちろんその辺りをきっちりしている旦那もいますが、地方などへ行くとまだまだ男性に甘い家庭は多いです。

 

将来は分かりませんが日本人女性がベトナム人男性と結婚する場合、その相手の男性が家庭内でどんな振舞いをするようになるか考えておくことは重要なことかと思います。結婚してから素の部分を矯正しようとしても中々できませんからね。