ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

ベトナム語のカタカナ表記について

日本のニュースや新聞でちょいちょいベトナム人が登場することがあります。ほとんどは実習生や留学生絡みの記事ですが、日本語で表記する場合ベトナム人名は全てカタカナで書かれています。今日はベトナム語のカタカナ表記について思うことを書きます。

 

ベトナム語のカタカナ表記はこれといった規定がないみたいですが、書き方は大きく以下の2つに大別されます。

 

①綴りに沿ったカタカナ表記

②発音に沿ったカタカナ表記

 

例えばベトナム人で「Long」という男性名がありますが、①に則れば「ロング」と書かれ、②では「ロン」となります。実際のところは「ロン」で書かれることが普通です。

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Phươngという名の女性。カタカナ表記は主に「フン」と「フォン」の二通りがあるが、カタカナ表記で読むと全く違う名前になる。

基本的には①よりも②に沿って書かれることが多い気がします。しかし②には少し問題がありまして、発音が北部なのか中部なのか、それとも南部なのかで表記が変わってきます。

 

例えば、「Anh」という名前があります。これは北部であれば「アイン」となりますが、南部では「アン」と記載されます。アンと聞けば「Anh」または「An」の2通りの名前が一般的ですが、カタカナで表記されると本当の名前がどちらなのか判別できなくなってしまいます。こういった例が結構あり、ベトナム人名のカタカナ表記を見ても、ベトナム語の綴りが判断できないケースに時々出会います。

 

あとベトナムの代表的な調味料「nước mắm」。今まで見たカタカナ表記の代表は以下の3通りです。

 

①「ヌクマムまたはヌックマム」→一番オーソドックス

②「ヌッマム」→比較的発音寄りな表記

③「ニョクマム」→なぜ「ニョ」が出てくるのか不明

 

いずれにしてもベトナム語のカタカナ表記を見ていると、外国語のカタカナ表記の限界を感じます。カナカナ英語が通じないのと同様、カタカナベトナム語はもっと通じません。人名でも地名でもそうですが、ベトナム語が分からないと嘆く人ほどカタカナ表記でしか覚えようとしない傾向があります。

 

ベトナム人の名前をカタカナで認識している場合、実際のベトナム語の発音で名前を言われると全然違う印象の名前だったというのはよくある話です。