ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

ベトナム語の「売り切れ」について考える

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注文するときにメニューを見て選びますが、料理を頼んだ時に

 

「売り切れです」

 

と言われることが多々あります。このフレーズを聞くと、「皆が注文して無くなったのかな?」と思うかもしれませんが、実際はそうじゃない場合もあります。例えば開店して間もない時間に入店してもそういうことは往々にあるわけでして、最初からその料理を作るための食材をストックしていないということもあります。だったらメニューに載せるなよ!とツッコミたくなりますが、ベトナムではよくあることです。

 

さて、ベトナム語で少し[売り切れ]にまつわる定義を書きます。

 

まず「売り切れ」にあたるベトナム語は「hết」と言います。これは「尽きる」というような定義で、一定量あるものが消費されて徐々に無くなっていくイメージです。なので「ガソリンが無くなった」とか「トイレットペーパーがきれた」などにもこの「hết」が使われます。

 

続いて「mất」。これは「あるものが突然一気に無くなった」というイメージです。例えば「ペットボトルの水を机の上に置いていたのに、誰かが持っていくなどして無くなった」というような状況下などで使われます。その他にも「死ぬ=亡くなる」などでも使われます。

 

そして「không có」。これは正に「無い」のイメージで、物理的にものが無い、存在しないという意味でよく使われます。

 

上記の例から、「hết」と言われた場合、「皆が注文などして消費されて無くなった」という意味になります。もし「không có」と言われた場合は「最初からメニューにない」という意味になります。「mất」と言われることは通常ありませんが、敢えて言うなら「かつてあったけど何かしらの事情で急に無くなった」といった感じでしょうか。

 

ベトナムのレストランでは最初から仕入れていないにも関わらず、「hết」とだけ言って注文を断ります。「すみません、今日は~の都合で仕入れてないんです」なんて気の利いたことは言いませんのでご理解を。