ビザの申請を却下されるベトナム人留学生

日本の入管も取り締まりを厳しくしたようで、ベトナム人留学生のビザが更新されずにそのまま帰国を余儀なくされる層が増えているようです。まあ厳しくというか現行の法律通り違反している人をチェックするようになっただけですけどね。

留学生が違反する項目として圧倒的に多いのはアルバイトの上限時間数を超えること。少し詳しく言うと留学生はアルバイトの時間を週28時間までしかしてはいけないとされています。本来学問を目的としたビザで入国しているにも関わらず、アルバイトにいそしむのは言語道断ということでこの法律自体はよく分かります。

ではここから少し掘り下げて、どうしてこの違反をする留学生が多いのかということをベトナム人を例に挙げて解説していきます。

・そもそも学問に集中する経済的な余裕がない

アジアからの留学生でこの手の人は多いです。ご存知の通り日本で学校へ学費を納めて、且つ毎月の生活費をアルバイト週28時間で全て賄えるかと言われると厳しいです。せいぜい生活費のみといったところでしょうか。なので学費に関しては事前に親や誰かに工面してもらう必要があるわけですが、その工面もできない人がたくさん留学に来てしまっています。本来はこの時点で留学ビザの発給が却下されるべきなのでしょうが、そこを徹底しないのは何か日本側の事情も垣間見えます。

・ではどのようにして上限時間を越えて働くのか

これまでは複数のアルバイトを掛け持ち且つ振り込みの給与口座を複数作ることによってごまかせたようです。ベトナム側の留学斡旋センターも「そのようにやればいける」と喧伝して生徒を募集しています。しかし今ではそのやり方が通用しなくなってきているようです。

          

・特定技能の存在を押し出して名前だけの留学生を排除する

アルバイトの人材不足は日本で深刻なのでアジアからの留学生層は大変重宝されます。しかしこれまでそのアルバイト留学生で賄っていた人材を新しいビザ「特定技能」で補うことも業種によってできますので、国としてはそこに注力したい目論見があるのかと。元々アルバイトの金銭目的で来ている留学生からすると本来の労働目的で来れるほうがいいでしょうから、形だけの留学生を排除していくのは理にかなっているようにも思えます。

・個人的には不良な日本語学校や教育機関も駆逐してほしい

私個人としては単に金儲けで参入しているこれらの機関も早く潰れてほしいと思っています。どこぞの大学で金銭目当てで留学生を取りまくっているところもありましたし。ベトナム人で日本の専門学校へ進んでいる人はたくさんいますが、一体何を勉強しているのかよく分からない人も大勢います。本人も特に専門学校で学んだことを生かして働きたいという考えはないようで、完全に日本での身分預かりのために通っていたという感じでしょうか。

ビザが更新されずに帰国してきたあるベトナム人留学生は、

「アルバイトの時間制限があるのにお金の工面を全部するのは無理ですよ」

と不満をもらしていましたが、

「それなら留学自体を諦めろよ」

と思う日本人は多いと思います（私もそうです）。しかしそれでも何とかして日本に行きたいと考えるベトナム人が多いという事実と、他の国ではなく日本を選ぶ理由があるということも知っておいて損はないでしょう。