ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

ベトナム人の温かい行動から考えてみたこと

前回からコロナウイルス話題が続きますが、今回はベトナム国内のある時事ニュースから。

現在ベトナムでは中国への輸出入が制限されており果物などの輸出などもストップしています。ベトナムではスイカやドラゴンフルーツなどこの時期に中国へ大量に出荷しているわけですが、それができなくなったということで農家は大打撃を受けています。なので中国へ持っていくはずだった果物を腐る前に全部国内で売る必要があるわけで、路上でトラックいっぱいの果物を販売している光景がよく見られます。

 

f:id:dtbh:20200301181720j:plain

さてさて、ここで発揮されるのがベトナム人の団結力。気の毒だと思ったベトナム人たちはこのスイカやドラゴンフルーツなどをボランティアの意味も込めてたくさん買っていきます。インタビューではスイカを5つ買った人が、「自分の家だけでは食べきれないから近所に配る」とのこと。こんな人たちがいっぱいいたおかげで、中国に輸出する予定だった在庫の大半を捌けることができたんだそうな。。。

 

ベトナム人のこういうところは本当に素晴らしいなと思います。同じことが日本で起きたら日本人はどうかなぁと思いつつ、素直な感動もそこそこに少し物思いに耽ります。

 

・政府の援助などは期待しない

まずこの件でベトナム政府の農家に対する補償などは特にないようです。そもそも鼻からそこを当てにしてる人は誰もいないので、「みんなで助け合わないと!」精神が出やすいのかなぁと。日本の場合は個人個人が動く前にまず「国よ何とかしろ!」コールが起こるでしょうし、そういった国民の政府批判はマスコミや野党のいいネタになります。

 

・困ったときはお互い様

ベトナム人は日本人よりも「持ちつ持たれつ」「困ったときはお互い様」精神が強いです。日本人もその精神はありますが、日本の生活経験があるベトナム人たちから言わせると日本人はその精神が薄いとのこと。しかしベトナムに住みながら間近でベトナム人の行動を見ている私からすると少し思うところがあります。

 

私個人の感覚では、日本人よりもベトナム人のほうが互いの依存度が高いです。日本人の場合、極力他人の世話にならないよう心がける人が多く、「世話になる=迷惑をかける」という感覚の人も多いんじゃないでしょうか。

分かりやすく実例をあげてみましょう。先日私のマンションの同じフロアの人が夜10時ぐらいに

「肩が痛いからサロンパス貸してくれないかしら?」

と急に訪問してきたことがありました。その人は普通のご近所さんみたいな間柄なので嫁も普通に貸していました。特別急を要する感じではなかったので、大概の日本人は「明日薬局で買ってこよう」の一択かと思います。こういうときに躊躇なく他人を頼れるのはベトナムっぽいなと。日本だと「明日まで我慢しろよ」とか「何時だと思ってんだ」とかいう声が出そうなものですが、こちらでは普通です。

 

どちらが良い悪いという話ではないですが極端な言い方をすると、

日本人:「他人の世話(迷惑)にならないよう努める」

ベトナム人:「遠慮なく世話になる分、自分にも遠慮なく世話になってくれ」

といった感じでしょうか。

 

人との関りや繋がりという観点だけで言えば日本人が冷たいと思われても仕方がありませんが、他人のことを考えるという点ではさほど差はないようにも思われます。