ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

生活保護って何?と聞くベトナム人嫁

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ベトナムのニュースで日本の生活保護に関する報道があり、一緒に見ていた嫁が一言。

 

「生活保護って何?」

 

私が日本の生活保護システムについて一通り説明してもイマイチ腑に落ちない様子。どうやら生活保護の受給者が住んでいる家も映像に流れていたことが原因の模様。

 

「この制度があったら逆に真面目に働かない人が多くなるんじゃない?」

 

嫁の率直な感想はベトナム人から見た視点です。まずベトナムには日本のような生活保護の制度はありません。恵まれない人に対するチャリティはよくありますが、毎月固定の生活費が国から支給されるなんてのは夢のような話です。さらにベトナムで支援を受けるような層は本当に原始的な生活をしているので、日本の生活保護受給者の家をみたときに、「むしろ良い暮らしじゃん」ぐらいに映るのでしょう。

 

ここで日本の「健康で文化的な生活」という定義がいかに恵まれているのかということが窺えます。どうやら日本は長年の生活水準向上により、この「健康で文化的な生活」の水準がかなり高くなってしまったようです。

 

日本では普通の生活に金がかかりすぎると言われるのはよくある話。そもそも給与水準が結構前から変わらないにも関わらず、色々な諸経費は増えているわけですからそうなるのも当然といえば当然の話です。どうやら給与の上昇がないのに、生活の快適さを求めた結果と言えそうです。

 

ベトナムは毎年給与上昇が著しく、それに伴い消費の割合も高まっています。なので日本と同じように若者はお金が足りないとよく愚痴をもらしていますが、こちらのおじいさん、おばあさんから言わせれば贅沢なんだとか。

というのも嫁の実家に住むおばあさんは未だに ときどき木炭で火をおこしますし、食べるものも市場で調達した野菜と少しばかりの肉、その他自給自足の食材で済ませます。もちろん携帯電話やファッションなどにお金を使うこともありませんので、一か月1万円ぐらいで生活をしているわけです。なので見た目に質素な生活をしているわけですが、本人はそれほど貧しさを感じてはいないようです。

 

経済が発展して貧しさを感じるようになるというのは何とも皮肉な話です。