ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

ベトナムのバイクタクシーに貴賤はあるのかという問題

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数か月前ベトナムで起業した日本人がSNSでバイクタクシーの人を馬鹿にした発言がきっかけで、ベトナム人から大バッシングを受けて炎上した事件がありました。詳細は「日本人 ハノイ 炎上」とかで検索したらすぐ見つかります。

 

ハノイにいる日本人の間では「顔も社名もさらされているからベトナムでビジネスをやるのはもう難しいだろう。」という見解です。この話題の日本人がどんな人なのか私は全く分かりませんが、日本語話者が多いベトナムのSNS上でそんなことを書けばそりゃ危険だろうというものです。この人は知り合いの日本人向けに書いたような感覚だったんでしょうが、日本のバイトテロと呼ばれる学生と同じようなものかと思います。

 

さて、バイクタクシーですが実際バイクタクシーをしている人は様々な背景があります。今回の話題になったのは「Grab」なので会社組織という点で特に炎上しやすかったのではないでしょうか。実際バイクタクシーは個人でしている人も多く、家で農業をやりながら夜はバイクタクシーというようなダブルインカムで生活をしている人もいます。

 

また近年では大学を卒業してもすぐに就職にありつけない新卒生も多いので、とりあえず就職先が見つかるまでの繋ぎとしてバイクタクシーをしている若者もいます。個人でするバイクタクシーは客待ちをする場所の縄張りみたいなものもありますので、若い子がいきなりその市場に入ろうとしても難しい部分があります。なのでGrabのような登録制の会社組織に入るほうが、安定性は高いといったところでしょうか。

 

ところで炎上した日本人はバイクタクシーを「小汚い」と言って自滅したわけですが、確かに小汚いバイクタクシーはいます。特に個人でやっている人は服装などはお構いなしですし、砂埃をかぶって汚れた衣服をまとっている人もいます。私も必要に応じて時々利用することがありますが、かぶるのを躊躇するようなヘルメットを渡されることもしばしばあります。

 

上の日本人はそういうバイクタクシーを全部一緒くたにして、Grabという会社の制服自体を小汚いと取られるような発言をしてしまったのがまずかったのかと。まあスタバがその人にとってどんな空間なのかは分かりませんが、誰かのコメントで

 

「そんなことを言うなら高級ホテルのラウンジでお茶してろ」

 

というのには賛成します。

因みにその関連の記事ではハノイの日本人が大変な目に遭っているみたいなことを書いていますが、実際そんなことはありません。私の会社を含めて日本人と一緒に働いているベトナム人は「その人がバカな日本人なだけでしょう」と冷静に見ています。私の嫁も「そりゃベトナム人と同じようにバカな日本人もいるやろー」程度なものです。

 

「ハノイに住む日本人が怒りを買うベトナム人から報復を受けるのではとヒヤヒヤしている」なんて書かれていますが、誰にインタビューしたの?って感じですね。実際この事件から今まで全然普通でしたし、ベトナム人ですら「ああ、そういえばそんなことあったね」程度なものです。メディアの印象操作とは本当に怖いものです。