ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

ベトナムで離婚手続きをする場合

こんなタイトルですが、私たち夫婦は今のところ円満です。(念のため)

さてベトナムで結婚の手続きについて聞かれることはよくありますが、離婚手続きについてはいかがでしょうか。今回は私の知人などで離婚した人から聞いた離婚手続きについてざっと説明します。

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日本では慰謝料やら親権などに関してもめることがない場合、離婚届けを提出すれば離婚成立となります。しかしベトナムではたとえ夫婦が離婚について全て合意していたとしても用紙一枚ですぐに離婚できるほど甘くはありません。

どういうことかと言いますと、ベトナムでは離婚をしたい場合、まず居住地が管轄する人民委員会にその旨を届け出る必要があります。そしてその後裁判を開き、お互いが離婚に至った経緯を説明し、離婚後に関する各々のことに関して双方の意思確認をされます。これが一回で終わればまだマシなんですが、ベトナムではこの裁判が計3回繰り返されます。3回を経て双方が異存なしの場合、晴れて夫婦関係を終わらせることができるというわけです。面倒くさいですね。

 

では、なぜ3回も裁判をする必要があるのでしょうか。一つの理由としてその3回の裁判をする間に「本当に離婚するのか冷静に考えなさい」という猶予期間が与えられているという解釈ができます。当の本人からしたら「そんなこと余計なお世話だ」と思うかもしれませんが、ベトナムではちょっとした夫婦関係のもつれから衝動的に離婚を切り出すこともよくあります。なのでこの3回の裁判期間に双方が頭を冷やし再度夫婦関係に戻るということもよくありますので、一応役にはたっているようです。

 

しかしベトナムでは仮面夫婦、というか戸籍上は夫婦で事実上離婚状態という夫婦もたくさんいます。これは親が離婚してシングルになってしまうと、子どもが色々な面で苦境に陥ったり、将来的な進学や就職に影響が出ることを恐れるためです。父親がいない家庭は社会的に不利益を被るというのはまだまだベトナム社会に根付いている現実です。

田舎などでは隣近所の家庭が密に関わることも多いので、あくまで表面上は夫婦としてやっているように見せる家庭も多いと聞きます。離婚の数は年々増えてはいますが、やはり世間体は未だよろしくないという状況です。