ベトナムの妊婦について
平均年齢が30歳に満たないベトナムでは至る所に子どもがいることは以前お伝えしましたが、その子どもの予備軍である妊婦も至る所で見かけます。
ベトナムでは出産ぎりぎりまで働く人が多いためオフィスビル内でも妊婦のOLが普通にいるのですが、彼女らが産休を取るのは出産2週間前~1週間前というのも普通のことです。私の同僚は産休に入って3日後に出産していました。まさに
「じゃあちょっくら産んできますわ!」
みたいな感じです。ベトナムでは産前産後合わせて6か月の休みを取ることができるのですが、その間は給与が100%保証されています。ですので比較的恵まれているような気がしますが、ほとんどの女性はこの産休明けからフルタイムで働きます。とは言っても生後6か月前の赤ちゃんを置いておくわけにはいきませんから、大概実家の母親に世話を頼むのが普通です。
ところでベトナムに住んでいると妊婦に対する常識が少しかすんできます。まず先ほど言った通り出産ギリギリまでベトナム人は働くわけですが、大きいお腹の状態でもバイク通勤が当たり前です。日本だと「そんな危険なことやめなさい!」と注意させそうなもんですが、
「じゃあどうやって通勤すればいいのよ!」
と返されると何も言い返すことができません。ギリギリまで働かなければならない経済的事情と、交通インフラが整っていない社会的事情が合わさった結果なんでしょう。出産後半年以内にフルタイムで働くことが普通の社会って、もし日本もそんな感じだったらどうなんでしょうかね?
あとこちらでは妊娠中に男女が分かる時期が早いようで、通常3か月ぐらいで医者から性別がどちらかを告げられます。ただある病院では早期から男女のどちらかを伝えるのを控えている病院もあるそうで、その理由は女の子と分かったら中絶を申し出るような夫婦もいるからだそうです。ベトナムでも特に田舎では男の子が重視されますから、そういった事情を鑑みて中絶ができなくなる時期までは教えないようにしているのでしょう。ただ中絶ができない時期までは親側に堕ろす権利もあるわけですから、現場の医師の葛藤を窺うことができます。
因みに出産後も1日程度の入院で、問題がなければ即退院のようです。あまりにも早すぎないかと嫁に聞いてみたところ、
「ベトナムは出産する人が多いから、産み終わった人にイチイチ構ってられへんねん。」
とのこと。こんなところも日本とは全然違いますね。(汗)
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