ベトナム企業が日本人を欲する訳
日系企業の進出が進んでいるベトナムではその日系企業相手にビジネスをしようと考えているベトナム企業も数多くいます。かつては進出企業といえば大企業で、そこに出向するスタッフは英語が比較的堪能な人が送り込まれることが普通でしたが、最近では地方の中小企業の進出も増えており、出向でくる日本人は外国語がサッパリというケースも少なくありません。
そんな状況の日系企業にベトナムのローカル企業が営業をかけるには日本語力というものが必要になってくるのですが、単に日本語が堪能なスタッフだけでは具体的な営業力が伴いませんし、営業先の日本人から信頼を得られにくいという事情があります。
ということで最近では日本人営業職の募集を掲げるベトナム企業もちょくちょく現れだしました。まあローカル企業なんで給与はそれほど高くはありませんが、日系現地採用のサービス業程度の給与(~1500USD)は出すようです。
ですのである程度の経験者や年配の方はキツイかもしれませんが、20代で海外で経験を積みたいと考えている人は、むしろ狭い日系社会に身をおくよりいい経験を積める気がします。
さて、ローカル企業からも日本人需要が出てきたということですが、ここで一つ気になることがあります。とりあえず多くのベトナム企業は対日系企業向けに日本人を置こうと考えるわけですが、中には客寄せパンダ的に日本人を採用しようと考えているローカル企業もあります。ですので本来の目的での営業というよりは、
「うちの会社は日本人がいますから安心ですよ~」
てな感じで日本人を据えているところもあるようです。なのでそれなりに意識高い系の日本人営業マンが改善提案をしたとしても
「いや、君は客寄せパンダなんだからそんなこと考えなくてもいいんだよ。」
みたいな意味合いでスルーされるケースもあるようで、入社後に揉めたあげくすぐに退職ということも耳にします。双方の考えが入社前に分からなかったが故のトラブルでしょう。
あとベトナムでは多くの営業職の給与設定は取ってきた契約数に応じた歩合制みたいなものが多く、基本給を低く設定しているようです。ある意味契約さえ取ってこれば出社は自由みたいなローカル企業も多いようで、日本の営業職よりは自由度がかなり高いと言えるでしょう。
因みに日本人はこの手のタイプの待遇を嫌う人が多く、毎月安定した収入を求める傾向にあります。