ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

日本ってどうなん:今後の日越の老人について

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日本のテレビで何歳からが「おじいさん、おばあさん」かという街頭インタビューをやっていました。境目はどうも80歳ぐらいからのようで、70代でもまだ高齢者ではないと主張している人も多いようです。しかしベトナムでは確実に60代から高齢者扱いになります。

 

日本に帰るたびに感じるのはなんと高齢者の多いことかということ。少子高齢化をずっと前から聞かされてはいましたが、ベトナムへ行ってからそれをすごく実感するようになりました。まず日本ではシルバー世代でもまだまだ社会に出て働いています。以前嫁と義父母が日本へ来たときはタクシーの運転手が高齢者ばかりで驚いていました。(ベトナムではタクシー運転手は決まって若手)またスーパーのレジでもそこそこの年齢の人ばかりというのが異様に感じたようです。(ベトナムではスーパのレジはほぼ20代の女性がする仕事)

 

そこで義父の素朴な疑問は「なんで日本は豊かな国なのに、老人になってまで働かなくちゃだめなんだ?」ということ。定年を過ぎた人が働く理由は様々ですが、働かざるをえない人もたくさんいるという現状を伝えると神妙な面持ちで聞いていました。

 

ベトナムの場合、もともと平均寿命が日本より10年ぐらい短いということもあり老人の数は少ないです。街中でも老人を見かけることはあまりありません。今は若い人であふれかえっていますから老人は大事にされますし、経済的な援助も国や子供たちから受けることができます。

しかし日本のように少子高齢化が進んでしまうと、老人をかかえきれないような話題が頻繁に上がってきます。数が少なければ大事にされるが、多すぎるとお荷物扱いされてしまうのは何とも悲しいですが、それも経済の状況から考えれば仕方のないことなのかもしれません。

 

老後破産、貧困老人、下流老人といったワードを最近よく見るようになりました。年金の受給額が下がるだの、保証がないだのと暗い老後を語るような記事をよく目にします。本来定年で退職したら残りの余生はゆっくりさせてもらうというのが日本だった気がするのですが、どうやらそういうのはもはや過去のことと考えた方が良さそうです。

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ベトナムでは老人に関する暗い話題はあまり聞きませんが、恐らく私の世代ぐらいが老人になったときには同じ道をたどるのではないかと思われます。核家族化も少しづつ進んでいますので、これまでのように常に子どもたちが親のそばにいるという環境ではなくなってくるでしょう。もしかすると孤独老人という言葉もベトナムに出てくるかもしれません。

そういった時代が来たときに、「ベトナム人は家族の絆が強い」というフレーズがどうなっているのか気になるものです。