ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

ベトナムの残業に対する考え方

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ブラック企業という言葉が有名になった日本社会では、サービス残業を当たり前視するような風潮が昔と比べて和らいできたように思います。依然労働環境が最悪な会社はまだまだ日本にたくさんあると推察しますが、現代のネット社会ではそういった実態は白日の下にさらされやすくなりますし、会社側もコストの面で余計な残業代を払いたくないという考えから、かつてほど残業を強要することは少なくなってきているのではないでしょうか。

 

一方ベトナムでは残業に関してどのように考えているかというのが本日のお題。まず定時で帰るのが普通という社会では、残業とは何かよほど特別な理由があってするものだという認識があります。つまり必要な仕事は定時時間内で極力すべて終えるというのが彼らの考えです。

こう言われると仕事に対して効率的且つ生産的な考えを持っているように感じますが、実際はそんなことはありません。例えば仕事中は適当に集中しながら、時には遊びつつ仕事を消化。定時になったら終わっていない仕事があっても明日に持ち越しというスタッフは結構います。

ニュアンスとして日本人の場合、「一日の仕事が終わったら退社」なのに対して、ベトナム人の場合、「定時がきたら退社」といったところでしょうか。

もちろんしっかり仕事を終えて定時で帰る場合には全く問題ないのですが、まだ仕事が残っている(しかも結構大切な仕事)にもかかわらず、素で定時で帰られると怒りを覚えることもあります。*これが就業時間中にダラダラやっている背景があるとなおさらのこと。

 

社会全体がそれで回っているから特に問題も起きないのがベトナム社会。仮に納期など約束の期間があった場合、日本人はそれを厳守するためなら何時間でも残業します。約束を果たせなかった時の叱責や信用の失墜度合いが果てしなく大きいですから。一方ベトナムではたとえ多少遅れたとしても「ちょっとぐらい遅れるのは想定済み」というのがお互いの共通理解なので大した問題になりません。

なのでたとえ定時でまだ終わってない作業があったとしても安心して?帰ることができるのでしょう。

 

ベトナム社会では過労死は当然のこと、仕事からくるうつ病の話はほとんど聞きません。聞くとしたらせいぜい一過性のストレス程度です。

誰もが無理しなくてストレスフリーに働くと、社会そのものは成熟しない。人にとってどちらの方が快適なんでしょうか?