ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

ベトナム教師の給与ってどうなん?

先日教員の給与引上げを検討しているというニュースがありました。この教師とはいわゆる公務員の教師のことを指します。ベトナムでは役人から国立病院につとめる医者など、公務員の中でも職種によって等級分けされており、その等級に応じて支払われる給与が決まっています。

教員はこの等級の中で一番下になるんですが、それを医者と同等の等級に引き上げることを検討しているという発表がありました。そもそもそうなった過程が何なのかはっきりとした説明はないのですが、ベトナムの教員は日本で考えられないような懐事情があります。

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まず公務員というの名のもとの教員は最低レベルの等級に位置しているようですが、では最低レベルの等級では給与がいくらぐらいなのか。これも正確な額は分かりませんが、一般的に言われるのは月1万5000円~2万円程度と言われています。これはそこそこ学識が必要な職業としては相当低い給与です。日本の場合教員は労働時間こそ曖昧ですが、一般に薄給というイメージはありません。ベトナムの教員の給与がこれだけ安かったら一体誰がなりたがるんでしょうか。教師が聖職であるならばお金のことを言ってはいけないというのはキレイ事。自分の生活がままならなければ健全な精神を保てるわえもありません。そこにはベトナム社会の色々な事情が隠れているようです。

 

まずお伝えしたとおり、教員の給与はかなり安いです。国からもらう給与としては。

なのでそれ以外の財源が必要になるわけですが、日本のシステムでは考えられないような金銭の供給源がこちらにはあります。まずイベント的なものでベトナムには教師の日というのものが11月20日にあります。この日は学生が日頃お世話になっている先生に感謝の意を伝える日なんですが、中には謝礼として現金を渡す生徒もいるそうで、教師にとってはちょっとしたボーナス代わりになります。

 

また教師の労働時間は日本のそれと比べると短い傾向にあり、午後は比較的時間的な束縛が短い傾向があります。では余った時間はどうするか。個人で塾のような教室を運営します。ここに自分が教えている学生を呼んで、そこからの月謝で生計を立てている人も多いそうです

しかし一部の教師にはその月謝の額の度合いや別の謝礼金で色々と生徒の便宜をはかるのもいるそうで。。。

以前私がベトナム人の友人と学校の前を歩いていたときに、すごい高級車に乗った教員がいました。私は思わず

 

ベトナムの教員は給料が高いんやなあ」

 

と言うと、友人は

 

「いや、そういうわけではなく、あれは多分…」

 

と言葉を濁した場面がありました。色々話を聞いてみると上で説明したような事情を語ってくれました。今回政府が発表した給与の引き上げはひょっとしたらこういった外部収入が必要になる事情をなくすためのことなのかもしれません。