ベトナムってどうなん?

ベトナム人と家庭を築きながらベトナムを考える

ベトナム人と共同の経営者になった人の末路

ベトナムに進出する日系企業には100%日系独資で進出する企業と、現地パートナー(ベトナム人)と共同で出資をする合弁会社があります。また立ち上げから共同の経営者という名義で日本人とベトナム人両方が会社の経営者という形態もあります。

そもそも日本人が独資でやらない理由の大半は、これからやろうとしているビジネスの種類がベトナムでは外国人に許可を出さないという理由からなのですが、現地パートナーと共同で始める会社は何かとトラブルがあるようです。

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身近な例を出しますと、私の知人で現地で会社を設立した人がいるわけですが、ライセンスや現地での言葉、その他のことで個人でするのに限界があると考え、ベトナムの現地パートナーと共同で会社を開いた人がいます。しかし共同の経営者となると経営の方針の食い違いなどは日本人同士でもよくあること。まして外国人同士ではなおさらです。

結果的に日本人経営者が会社から追い出されるかたちとなり、本人は「騙された」とか「会社を乗っ取られた」という愚痴を日本人にぶちまけるというのがよくあるパターンです。私もこの数年で少なくとも3人はそういう人を見てきました。

この話だけ聞くと少しその日本人が気の毒にも見えますが、ベトナム人の経営者の立場から言わせると少し違う見解が見えてきます。

 

ベトナム人経営者から言わせると、「共同の経営者と言ってもベトナム語はおろか英語もろくに分からない日本人。現地でのビジネスも行政上のやり取りもほとんど主要な業務は自分が負っている。たまに日本人が来た時だけ相手をして、お客様目線とか日本流のサービスをなんて美辞麗句だけは立派に言いやがる。俺から言わせれば、で、その結果会社はどう発展するんだ?と言いたい。」

 

つまりこの人の主張としては面倒なことは全部押し付けるわりに自分の主張だけは言ってくるのが気にいらないと。きれいごとで会社を発展できるわけでもなく、じゃあ会社にとって自分とその日本人のどちらがいた方が会社が発展するのかと言いたいんでしょう。

各々の主張は分かりますが、少なくともその会社で働く従業員からしたら会社を成長させる側につくでしょうねぇ、やっぱり。それがベトナム人だとしたら尚更そうだと思います。それを「騙された」とか「信じていたのに」とか言いふらされていると、そのベトナム人経営者からしたら「は?(怒)」なんでしょう。

 

結局こういった事例を見てきて思うのはベトナム国内での面倒なこと(自分ではできない)を全部任せているといったところに起因しているように思います。その辺りしっかりしている日本人経営者は肝の部分はどんなに時間がかかっても何とか自分でやろうとしている人が多いのも事実でして、海外では人任せ程恐いものはないということを分かっているんでしょう。

 

最後にベトナム人の友人が本質的なことを言ってたので紹介します。

「ベトナム人でも根っこの部分は家族しか信用していませんよ。会社経営でも主要ポジションに身内を置く傾向があるのはそういった事情もあるわけです。というか逆に言えば、日本人は現地で初めて知り合ったような人によく全部任せるほど信用しますね。これ、ベトナム人から言わせればバカですよ。」